社会のすみっこから

趣味からメンタルヘルスまで、なんか気になったことを書きます。

メンタルヘルスどつぼ記②

前回のつづきです。

 

ところが急に両親がガンでぶっ倒れました。

ちょうど転職先が決まったところだったのですが、両親を介護しなければならず、

負担の少ない融通の利く仕事に切り替えることにしました。

 

仕事はそんなに忙しくはなかったのですが、病院が遠く、

休みの日は両親のどちらかを連れて車で検査や治療に向かっていました。

その甲斐あってか父親はさっさと治り、もう母親の介護に専念できると思って、

今の楽な仕事をしつつ、次の転職先を考え、母親が治ったら家を出て行こうと思っていました。

行き当たりばったりな人生ですが、自分にとっては母親はとにかく大事な存在だったし、

両親も何度も離婚しかけていたので、これを機に母親連れて楽させてあげようと画策していました。

 

日に日に母親の容態は悪化していきました。

父親は母親に迷惑ばかりかけていたので、あてにならず、(本人に自覚がない)

自分1人で支えていかなければならないと、そう心に誓って仕事と病院を行ったり来たりする生活を

数年間続けました。

その間に自分のキャパを超えてしまったのか、それに気づかなかったのか、揺り戻したのか、

かつてのあの感覚が戻ってきました。

しかし自分は倒れるわけにはいかない。弱いところをみせるわけにはいかない。

薬漬けにもなりたくない。だが体は明らかに悲鳴をあげはじめている。

 

再び心療内科の門を叩き、ごく微量の抗不安薬だけ処方してもらい、

仕事、病院、仕事、病院の生活をなんとかキープし続けました。

 

しかしもともと末期だった母親はどんどん悪化していき、

2年前に亡くなってしまいました。

 

堰き止めていたダムが決壊するかのように自分の精神状態はおかしくなり始めました。

お葬式の次の日から仕事をバリバリこなすようになり、

すさまじい万能感が湧き上がってきました。

当時はきっと母親がパワーをくれているんだろうと言い聞かせていましたが、

その年の暮れに自分のベルトで吊れる輪っかを作るくらい落ち込みました。

急にうつ状態がやってきたのです。

 

それから再び心療内科通いがスタートしました。

今思えば最初に万能感があったときに行けばよかったのかもしれませんが、

そんなの気づくこともできませんでした。

まして周りに相談できるような人はいない(父親とは疎遠)なので、一人で戦い始める外なかったのです。

 

肉親を失うという喪失感からくる、抑うつ状態という判断で

でも前の医者で飲んだ薬はやめてくれ、と相談しつつ、少ない薬の選択肢と認知行動療法を取り入れ

死にたいと思う鬱よりちょっとましくらいの生活を送り続けてきました。

 

そのときから今まで飲んだ薬は

レキソタン

リフレックス(合わずに即やめ)

ドグマチール

イフェクサー

アモキサン

トフラニール

・ラミクタール

マイスリー

トリアゾラム

・ルネスタ

・ベルソムラ

 

もうポケモンでもコンプリートするのかよってくらい薬を飲んできましたが、

ここの先生は必ず最低量からスタートして、合う合わないをしっかり見極めてから次の薬、という

ごくごく普通の向き合い方をしてくれました。

 

最初は仕事に支障がでるので抑うつ状態をなんとかしたい、という要望で

レキソタンドグマチールを処方されました。

眠気が強く、ただ惰性で飲んでいるドグマチールは半年ほどでやめました。

もともと不眠持ちなので、マイスリーは手放せなかったのですが、

耐性ができてしまったのが、効きが悪くなり、プラスアルファでルネスタやベルソムラといった薬も試しました。

たしかに効果はあったものの、薬価が高いことと、ベルソムラは悪夢を見やすくなって

かえって疲れてしまうのでこれもまたやめてもらいました。

 

抑うつ状態を脱出するために、第一選択となるのはSSRI、特にパキシルがよく使われるそうですが、

自分の場合とにかく合わなかったことと、離脱症状がさらに厳しかったのでそれだけはやめて欲しいと要求して、まずはリフレックス(NaSSA)から始めました。

 

ところがこれも合わない。飲んでは吐き気が強く、めまいとダルさが辛く、でも選択肢がどんどん絞られてくるプレッシャーからかしばらく飲み続けていました。

このあたりでさらに身体がおかしくなり始めました。

なんだか、無理。という絶望感が押し寄せてくるのです。

 

ついに全く起き上がれない日が何日も続くようになり、

仕事もろくに行けなく、これでは職場の人に申し訳ないと思い

休職を選択しました。

 

その間自分の中では、どうしても良くなりたい、という気持ちが強く

リフレックスとは違う薬で、休める環境はあるので何か徹底的に良くなれそうなものはないだろうかと相談し、

今度はイフェクサーSNRI)を試すことにしました。

比較的新しい薬で、副作用も少なく、意欲の低下などに効果が期待できる、とのことで

これならゆっくり休んでしっかり薬を飲んで、良くなるだろうと思い飲み続けました。

結果、副作用もなければ、これといった効果もありませんでした。

ん?ちょっと気分がいいのかな?といった程度で、感覚としては飴でも食べてるような感じでした。

休職期間は1ヶ月だけだったのですが、全く効果が現れず、

期間を延長しようとも思いましたが、延長したところで収入も減るし、

今度は生きていくのに支障がでるため強行で勤務に戻りました。

 

イフェクサーも効かないとなると・・・

これでSSRISNRI、NaSSAコンプリートしたことになり、

自分は詐病なんじゃないかとも疑いはじめました。

鬱でもなんでもなくて、百歩譲って、身体のどこか悪いんじゃないかとも考えたりしました。

でも、なんも異常がない。

 

それなら、ということで今度はアモキサン(三環系抗うつ薬)を試すことに。

これが漸く当たり!自分の中で何か回復していく実感を初めて得られました。

朝の日差しはいつもより綺麗に見えるし、全く動けなくなる日も少しずつ減っていきました。

これなら寛解に至るかもしれない・・・そう考えていたのですが・・・・。

 

次回に続きます。